201909 3度目の釜山

3度目の釜山。

今回は出発3日前に渡航を決め、ノープランで釜山に降り立った。正味1日、思いつきで回ったところ。

まず甘川文化村。インスタ映えするとかで最近話題になっているらしい村。山肌にびっしりと建てられた家々がカラフルに塗装されている。元は朝鮮戦争の時代、北朝鮮からの避難民がつくった集落だというが、2009年町全体をアートで飾る町おこしが成功し、今では釜山の観光名所になったという。

今回はガイドブックも持たず、SIMカードも買わず、事前調べも何もしなかった。インフォメーションでもらったフリーマップを見て適当な駅で降り歩いていこうとしたが、案の定迷った。食堂のランチタイムの準備をしていたくるくるパーマのおばちゃんに「甘川文化村」と見せると、韓国語と大ぶりなジェスチャーで、まっすぐ行って左に曲がってバスに乗りなさいと言われた(たぶん)。言われた通り、まっすぐ行って左に曲がるとバス停があったが、ローマ字表記がないのでどの路線に乗ったらいいのかわからない。バス付近にいた女性に英語で尋ねてみると、タクシーに乗ったほうがいいと言われる。仕方ないのでタクシーを拾うと、しばらく幹線道路を走り左に曲がってぐんぐんと坂道を上って行った。かなり離れていたということだ。。

文化村の観光客が集まる中心地は、どこにでもある土産屋や流行りのフランクフルトみたいな軽食屋などが並び、シャッターポイントには若者達がポーズをとって写真を撮っている。ここは狭い路地に入り階段で上り下りして、隅々に隠れるアートを見つけるのが面白いらしいが、中心地だけ歩きなんとなく満足したので、バスに乗って地下鉄の駅へ戻り昼食をとることにした。バスは文化村入り口の学校前から出ており、往路とは逆の方向へ下った。長崎や尾道や横須賀などの坂道の多い港町を思わせる町並みだ。

10分くらいで地下鉄士城(トソン)駅へ。お客が多くて賑わっている店に入り、Cassビールとビビンパを注文する。韓国の食堂はまず最初に5~6種類のキムチが載った小皿が出てくるが、これが店ごとに違っていて面白い。皿数が多いのはやはり食事が楽しくなる。

食事を終え、地下鉄で多大浦海水浴場(タデポヘスヨクジャン)へ向かった。釜山で有名な海水浴場といえば海雲台と公安だが、この2か所はすでに訪れたことがあった。海水浴場に行くのは、別に泳ぎたいからではない。シーズン終わりの静かな砂浜で、缶ビールでも飲んでぼおっとするためだ。

釜山で最も南にある多大浦海水浴場は、駅を降りてすぐのところにあり、手前の松林を抜けると特徴的な遠浅の浜が見える。松林の公園に設置されたベンチでは老人たちがおしゃべりしたり、子供連れの家族がスコップとバケツを持って潮干狩りのようなことをしている。砂浜には波紋が浮き上がっていて、思わず裸足になってこの上を歩いた。ゆっくりと足元を流れる海水とやわらかい砂の凹凸の感触は、脳が生き返るような体験だった。浅瀬の水面はきらきらとまぶしいほどに輝き、白い飛沫を上げる大きな波は、かなり遠くのほうに見える。

 

続いて行ったことのないところ、ということで、太宗台(テジョンデ)灯台に行くことにした。釜山中心部の南に位置する影島の岬にある灯台だ。釜山駅まで戻り、路線バスに乗った。乗った路線は停車駅が多いもので、途中小規模の繁華街や博物館、工場などを通って、結局1時間程かかった。バス停を降りると海鮮料理店や土産物屋が並んでいたが閑散としている。風が強く肌寒かった。灯台を往復するバスがあるようだったが、インフォメーションで徒歩だとどれくらいかと聞いてみると30分と言われたので、歩くことにした。きれいに舗装された林道を歩く。地元の人だろうか、ジョギングや犬の散歩をしている人も見られた。ちょうど30分ほどで灯台に到着。天気のいい日は対馬まで見えると聞いたが、夕方の空は既に霞んでいて臨むことはできなかった。大きな貨物船が数隻見えた。

日が沈んで風が冷たくなってきたので、そそくさと歩いて戻る。釜山駅へ向かう路線バスは運転が荒かったが、影島と釜山中心部を結ぶ橋からは、港の夜景が一面に広がりどこか安心する自分がいた。路線の違いか20分ほどで釜山駅に到着し、地下鉄で南浦洞に移動して、賑やかな繁華街をひやかしながら歩いた。客の多い焼肉屋に入り、Cassビールとソジュ、サムギョプサルを注文した。ゴマの葉と大蒜と玉ねぎが醤油漬けされていて、これとサムギョプサルの相性が最高だった。

最後に腹ごなしに龍頭山公園へ向かい、釜山タワーのライトアップと夜景をたのしんで宿泊先へ戻った。